2025.05.10 | u-map

eスポーツレクで介護現場が変わる!「デイケアさとやま」の挑戦。

【見学レポート】デイケアさとやま。頭の体操にeスポーツレク⁈

 

「介護施設でeスポーツ?」
そう思った方こそ、ぜひ知ってほしい取り組みがあります。
全国でも珍しい“高齢者×eスポーツ”に挑戦しているのが、静岡県沼津市にある「デイケアさとやま」。
現場を見学して見えた、利用者さんたちのリアルな表情と変化を、今回はたっぷりとお届けします。

 

eスポーツレクが始まった背景

静岡県沼津市にある「デイケアさとやま」。
山の麓に佇む、自然豊かな地域密着型のデイケア施設です。

取材で訪れたその日、職員の方からこんな話を聞きました。

「最近、レクリエーションの参加率が落ちてきていて、
“またこの内容か…”って、なんとなく参加が消極的になっていたんです。」

昔ながらの体操やクイズ、手作業ももちろん大切だけど、
どうしても「決まった人だけが盛り上がる」状況が続いていたそうです。

そんな時、ある職員が「高齢者でも楽しめるeスポーツがあるらしい」と耳にし、
「それ、うちでもやってみよう!」と声を上げたことから、挑戦が始まりました。

最初は「ゲームなんて難しい」「高齢者がやるものじゃない」といった
戸惑いや不安の声も少なくありませんでした。
ですが、ゲーム内容や操作方法を職員が丁寧に説明し、
「ちょっと触ってみようかな」と手を伸ばす方が徐々に増えていきまし

頭の体操にeスポーツレク…⁉

さとやまで導入しているゲームは、体を動かしながら楽しめる「太鼓の達人」などです。
どれも難しいルールはなく、画面の指示に合わせてタイミングよくボタンを押すだけ。

ですが、この「見る」「考える」「動かす」という一連の動作が、
脳の活性化につながると言われています。

実際、プレイ中の利用者さんは真剣な表情で画面を見つめ、
太鼓のバチを握る手にグッと力を入れてリズムよく叩いていきます。

 

 

「普段あまり会話しない方が、ゲームの後に“楽しかった”って話してくれて」
と職員の方も驚くほど、自然に笑顔がこぼれ、声が出る。

一緒に応援している利用者さん同士で
「今の良かったよ」「惜しかったね」と声を掛け合い、
普段とは違うコミュニケーションが生まれていました。

「脳も体も使って、みんなで盛り上がる」
それがeスポーツレクの大きな魅力なのだと、実際の空気感を通して感じました。

他施設とオンラインeスポーツ対戦

取材日、施設内には大きなスクリーンが設置され、
画面には、他の施設とつながった対戦画面が映し出されていました。

「今から和歌山県の施設さんとのオンライン対戦です!」

他の施設と画面越しに“対戦相手”としてつながり、
お互いに応援し合いながら、スコアを競い合う。

「絶対勝つぞー!」
「頑張れー!」

普段のレクでは見られないような大きな声が飛び交い、
まるでスポーツ観戦のような熱気に包まれました。

対戦が終わった後には、画面越しに「ありがとう」「またやろうね」と声を掛け合い、
そのまま画面越しに少し雑談タイムに。

地元を超えて“つながる”ことで、
介護施設にいながら地域や外の世界を感じられる。
この「オンライン交流」が、日常に新しい刺激をもたらしていました。

レクをきっかけに生まれた、職場の小さな変化

eスポーツレクを取り入れたことで変化があったのは、利用者さんだけではありません。
実は職員同士のチームワークや、職場の雰囲気にも大きな変化が生まれていました。

「どうすればもっと楽しんでもらえるか?」
「どのゲームなら誰でも参加しやすいか?」

職員同士がレクリエーションを一緒に考える機会が増え、
普段の業務以外で前向きに意見を出し合う文化が育まれているそうです。

 

 

また、eスポーツレクを見学した求職者や実習生から
「こういう新しいことに取り組んでいる施設っていいですね!」
と、興味を持ってもらえる場面も増えてきたとのこと。

「レクが楽しいから、仕事も楽しい」
「チームで取り組めるから、職場が明るくなる」

そんな小さな変化が、職員の定着や新しい人材の採用にも良い影響を与えていると、職員の方が話してくれました。

今後の展開

「やってみて思った以上に、皆さんの反応が良かったんです。」

職員の方はそう語りながら、今後への期待を話してくれました。

  • より多くのゲームを導入し、参加できる幅を広げたい
  • 職員もルールや進行を学び、もっとスムーズに運営したい
  • 他の施設だけでなく、地域の学校や子どもたちとも交流してみたい
  • 将来的には“さとやまカップ”のような大会も企画してみたい

「高齢者がゲームなんて…」という先入観を超え、
「楽しいから、またやりたい!」と思える新しい文化をつくる。
そのスタートラインに、今まさに立っているのだと感じました。

最後に…

今回取材した「デイケアさとやま」は、
リハビリ・レクリエーションを通して、
地域の高齢者の健康づくりを支える介護施設です。

特に力を入れているのは、
「職員も利用者さんも、みんなで楽しむ雰囲気づくり」。

eスポーツレクも、その一環として導入されました。
「できる・できない」「得意・不得意」を問わず、
誰もが「楽しい」と感じられる時間をつくること。
それが、さとやまの目指す介護のカタチなのだと感じます。

「また次も、やりたいね!」

ゲームを終えた利用者さんがそう話す笑顔が、
この取り組みのすべてを物語っているようでした。

介護現場には、まだまだ新しい挑戦の余地がある。
eスポーツレクは、その可能性を広げる一歩です。

これからも、介護現場のリアルな挑戦を届けていきます。
次は、あなたの施設が挑戦する番かもしれません。

施設概要

【見学レポート】デイケアさとやま。頭の体操にeスポーツレク⁈

 

  • 運営会社 医療法人友愛会
  • 施設名  デイケアさとやま
  • HP    https://www.satoyama2.jp/daycare/index.html
  • 住所   〒410-0304 静岡県沼津市東原560-1
  • 業種   通所リハビリテーション

 

見学などのご要望がございましたら上記のHPへお問合せください。

 

※こちらは個人的な見解を含め書いておりますので実際に感じることと異なる場合もございますがご了承くださいませ。

 

 

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